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スタッフ心得20カ条の解説

1. まず「人のため」「患者さんのため」に行動しよう


とかく、自分のことに精いっぱいで周りが見えなくなることが多くなりがちです。自分がここで生きていられるのは、周りに支えられているからであり、医療機関が存在するのは患者さんが必要としているからです。そのことを常に意識し、まずが「自分のこと」ではなく「人のため」「患者さんのため」に行動することを心がけましょう。


困難な状況において、自分の事や自分の所属する組織のことばかり考えていると状況は更に悪化します。色々な悪循環を解決するには、まず、自分の周囲の事を思い、行動すると多くのことは解決する方向に向かいます。結局は、自分、自分達の周囲の状況が改善すれば、自分、自分達の状況も良くなるものなのです。



2. 周りの人、患者さん、スタッフに対し、自分の大切な人と同じような愛情を持って接しよう


私たちは社会という共同体に所属することなしに生きていくことはできません。人の幸福はその共同体との関係に大いに左右されます。そして、自分のいちばん身近な共同体とは、家族のような自分が大切にしている人々です。


自分、自分に関わる人たちが幸福感を得るにはこの「共同体感覚≒大切な人への愛情」を持つことが欠かせません。自分に関わる全ての人に対し、自分の大切な人と同じような愛情を持って接するようにしましょう。



3. 多様性を愛情と想像力を持って積極的に受け入れ、それぞれに足りないものを補い合い行動しよう


人や物事は様々な背景や経緯があって今この瞬間存在しています。しかし、私たちは色々な人や物を、「その瞬間に、その場で」見たり、感じたり、聞いたりしたことで判断しがちです。スタッフの皆さんには、是非、多くの物事がどうしてそのような状態になったか、どうしてその人がそういう行動、発言したのかなど経緯や背景を理解して、自分とは異なることや、自分が予想したり、期待していたことと違うことを愛情と想像力を持って受け入れてください。


そこまでに至った経緯、背景を聞くことで「ああそういうことだったのか」ということは多くあると思います。その経緯や背景を自分なりに想像することで、多くのことを受け入れる態勢が身につくはずです。



4. 相手の立場に立って言葉を発信し、自分が与える周囲への影響を深く考えて行動しよう


言葉は人の心をよくも悪くも動かす大きな力を持っています。言葉を発する時には、最大限の想像力を発揮させ相手の立場に立ち、そして自分自身の立場、行動、言葉を客観的にとらえて、その影響を深く考えて行動しましょう。


自分が発する言葉や実行する行動は、その瞬間に自分自身が選択しているということを意識してみてください。すべての発言・行動は、常に自分の責任のもとで自分自身がその選択をした結果なのです。これはつまり、すべての発言や行動は自分自身で変えることができるということでもあるのです。



5. 周囲の幸せが自分の幸せと感じることができる楽しい職場環境を作ろう


人は、周囲に支えられて、初めて生きていくことができます。周囲の環境によって自分自身の幸福度が規定されていると言っても過言ではありません。そして自分自身だけが幸せである状態は長くは続きません。自分自身だけが幸せになりたいという考え方は、長い目で見ると周囲を不幸にしてしまうことすらあるのです。


周囲の幸せは最終的には自分の幸せにつながるという事実を認識し、多くの人がそのことに気づけるような楽しい職場環境を作りましょう。



6. 自分の仕事に誇りと自信を持って、社会から信頼される組織にしよう


自分自身の仕事への誇りと自信は、自分の仕事に責任を持つことで生まれます。そして、その責任を果たすことで裏付けされた誇りと自信は、質の高い医療の実現、良いサービス、素晴らしいホスピタリティへとつながるのではないでしょうか。それを毎日、胸に刻みながら、コツコツと仕事をすることで、それは大きな信頼を築くことになります。


すべての仕事、人間関係は、その「信頼」があって初めて成り立ちます。「誇り」と「自信」、そして「信頼」とを築く糧として、自分の中で膨らませて頂きたいと思います。



7. 仕事には責任ある判断と行動をもって最善を尽くそう


私たちの組織が考える「仕事をすること」とは、ただ単に与えられたことを何も考えずこなすことではありません。人が行う仕事の醍醐味は、自分の頭で考え「判断する」ことにあると思います。さらに「責任のある」判断をすることが大事であり、その「責任ある判断」をするためには、自分自身がその仕事の当事者であり、たとえ実際はそうではなくても、最終的に責任をとる者であるという意識を持つことが大切になります。


自分自身のお財布からお金を払って物を買うときと、誰かにお金を出してもらって物を買うときには、その物を選ぶ真剣度合いが変わることを想像してみてください。常に「自分のこと」という意識を持って、判断し、そして最善を尽くすことが良い組織を作るためには必要なことなのです。



8. 問題意識を持って創意工夫を凝らし、業務改善に努めよう


色々なものに慣れてしまうと、現状に満足しきってしまうことがよくあります。良いものを作り上げ続けていくためには、現状を客観的にとらえ、常に問題意識を持つことが大事になります。常識とか、規則と思っていることでも、本当にそれは正しいことなのか、最善の方法なのかということを考え続けることを習慣づけましょう。


その問題意識が、その後の創意工夫につながり、多くの改善の源になります。また、正しいこと、最善なものは、時代や環境によって変化するものです。その時代や環境の変化を敏感にとらえ、その情報から私たち自身の行動や考え方に問題はないかを常に考え、変化を恐れずに、改善につなげ、永続的な組織作りを目指しましょう。



9. 理念を実現するとともに、常にコスト意識を持って行動しよう


ナイズの理念を実現し、良い医療を提供していくことはとても大事なことです。そして、ナイズが目指す医療をどのように提供していくのかを考えた時に、そこには必ず、「働く人」が存在します。そしてその働く人にはそれぞれの生活があり、社会生活を営む糧が必要になります。また、理想の医療を提供するためには、冊子の作成やスタッフの成長に必要な勉強への投資など様々な取り組みが必要です。


つまり、働く人や新たな取り組みを支えるだけの収益が必要なのです。ボランティアでは医療は提供し続けられません。ナイズの理念に則し、かつ組織が存続し、医療を提供する側と提供される側、そして、社会全体の三者にメリットなるような取り組みを行いながら、収益を出すためには、私たちの行うすべてのことに対し常にコスト意識を持つことが大切になります。


そして、物だけではなく、時間もコストの一つです。より良い医療を提供するためには、すべてのスタッフがコスト意識を持って行動していかなければなりません。



10. 自分の健康は自分で守ることに徹し、安全と健康を確保しよう


健康は何にも変えることのできないかけがえのないものです。そして、医療を提供する側はその重要性を知り、自ら実践していく必要があります。そして、自分の身体は最終的に自分自身でしか守ることはできないものなのです。スタッフそれぞれが自己管理を実践することで、初めて患者さんに真実味を持って伝えられるのだと思います。



11. 約束を守り、規律ある組織を作ろう


約束し、それを守ることはとても苦しいことだと思います。約束しないですむならそのほうが楽でなることも確かです。しかしきちんと約束をし、その約束を果たした先には、それ以前の自分とは比べ物にならないほど別人の成長した自分がいるのは間違いありません。その上、人からの信頼も自然についてきます。


「約束をする」ことで人は成長し、「約束を守る」ことで人は信頼を手にします。多くの人が約束を守り、信頼が根底に流れる規律ある組織をつくりましょう。また時に、「自分との約束」を行い、それを守り、規律を身につけ、自分自身を成長させましょう。



12. 情報の価値と重要性を深く理解し大切に扱おう


情報というと「文字」であり「記号」であり「画像」であり、一件無機質なものに見えがちです。しかし、情報の裏側には、様々な思いが詰まっています。情報には必ずそこに関わる人がいるのです。その情報を生みだす人、情報を提供してくれた人のことを理解することでその情報の価値や重要性が見えてきます。それを深く理解し大切に扱っていきましょう。



13. 教育(人の能力を最大限に引き出す行動)に出し惜しみはしないようにしよう


教育という言葉はラテン語の”educere”(エデュケレ)という言葉を語源としています。これはe +ducereと分解でき、e-は「外へ」という意味の接頭語、ducereは「引き出す」という意味を持ちます。つまり「教育」とは、可能性を外へ引き出す、という意味の言葉として作られています。


「教育」とは一見、教える側から、教わる側に知識を教授するように捉えがちですが、「教育」の語源に基づき、教育を受ける側の可能性を内側から引き出す行動として考えましょう。知識や技術を言葉や行動で伝える作業を意味するのではなく、それが結果として、自然と教育を受ける側の意欲が大きくなり、必要なことが身につき、可能性が引き出される過程までを教育と考えます。その人の能力を最大限引き出す行動に出し惜しみせず、後世に伝えて行くことをナイズの文化として築いていきましょう。



14. 人の心を動かす情熱とゆるぎない信念をもって勉強し、自分を成長させよう


人は頭でわかっていても、最終的には心が動かなければ実際の行動には至りません。人の心を動かすことができれば、多くのことがうまく運びます。その人の心を動かすことができるのは人の心だけであり、それが良い方向に動くためには、情熱と信念が必要になります。また、その情熱と信念が時代に合っているのか、そして多くの人のためになっていることなのか、これが大事です。これが完全にずれていると、ただ単なる自分勝手な思い上がりになってしまいます。


そうならないためには、必ず「勉強」が必要です。本を読んだり、講義を聞いたりして知識を身につける勉強はもちろんのこと、社会に出て、多くの人と接し、その人間関係の中で学ぶことも一つの勉強です。その「勉強する姿勢」を持ち続け、自分を成長させることを忘れないようにしましょう。



15. 感情と事実を切り分けて行動しよう


人の感情は時に事実を間違った形に変えてしまうことがあるため、感情と事実をしっかりと切り分けてとらえる必要があります。ある事象が起きても、その事象に関して自分にメリットがある人の報告と、デメリットがある人の報告では、内容が全く異なることが多々あります。


つまり、ある事実を人が伝える作業の中で、伝える人の感情によりその「事実」が形を変えてしまう、そういうことがあるのです。この現象が強く働きすぎると、その人の感情が事実として伝わり、伝えられた側でも組織として間違った判断をする場合があります。これは、人に伝える時だけではありません。自分自身が事象を理解する時にも大事な考え方です。


こうしたことを排除し、「事実と感情を切り分け、ニュートラルにとらえる」ことが人の信頼を得ることにつながります。誰もがすぐにそのようなとらえ方をできるようになるわけではなく、かなり難しい技術になります。ただ、ある事象をとらえた時に、これは自分の感情によって解釈を間違えてないかということを考える癖をつけることで、徐々にできるようになっていきます。まずは、感情が事実を曲げてしまうことがあることを知り、そうなっていないかを自分なりに毎回確かめることが必要です。



16. 法令の持つ意味、背景を深く理解した上でそれを遵守しよう


法令は、先人が築いてきた、たくさんのノウハウが詰まっています。それを遵守することはそのノウハウを引き継ぐことでもあるのです。さらにその法令を遵守する時には、その法令の持つ意味やそれができ上った背景を理解し、法令の根本を解釈することが大事です。つまり、遵守するにも、なぜ遵守しなければいけないかを知ることで、自然と法令にあった行動がとれるようになるわけです。


ただ、法令はその時の社会環境など時代に合わせてできあがったものですので、それが時代に合っているものなのかも判断していく必要があります。多くの法令は、常に改訂され、時代に合った形に少しずつ変わってきています。それを変える発端を作ってきたのは誰でしょうか?それはその法令に基づいて、行動をしている現場の人間です。その現場の人間が、その法令が意味をなさないことや多くの人に不利益を生じさせている場合には、積極的に声を上げて、変えていく努力も必要なのです。


法を守ることと、それを変えていく必要性があるかどうかを考えること、この両者を実現していくことが現場で行動する人の義務でもあるのです。



17. 情報操作をせず透明性を高めよう


今日インターネットが普及し、携帯電話、スマートフォンを多くの人がもち、様々な情報に誰もがアクセスできる時代です。短時間でかつ、より多くの人と情報共有ができるようになりました。情報は時間差はあるにせよすぐに共有できてしまいます。情報が共有されやすくなったことで、情報を知っているだけでは価値は作れない時代であると考えられます。


逆に、情報を閉鎖的に囲い込むことは、その後の関係性を悪くしてしまうことの方が多いのかもしれません。それを前提に、情報を共有し、組織としての透明性を保つことは、結果的にメリットの方が大きくなる時代なのです。その情報を共有し、そこから新たな価値を作っていくことを目的とし行動しましょう。



18. 常に仲間づくりをしよう


私たちは常に、多くの人との関係性の中で仕事をしています。そして、様々な場所で多くの仲間と接する機会があります。その仲間とひょんなきっかけで一緒に仕事をしたりすることもあります。常日ごろから周りにいる仲間を大切にすることが自分たちの生活を豊かにし、時に仕事にさえ良い影響を与えてくれることもあります。


仕事をすることは人生の一部でもあります。時に困難なことが自分自身に降りかかったり、逆に困難な状況にいる仲間に出くわすこともあります。そんな時に仲間として支え合う姿勢が、多くの幸せを作りだすのだと思います。日ごろから、仲間づくりという行為、そしてその仲間と助け合いを意識し、ともに前に進んでいきましょう。また、ともに働くスタッフだけではなく、様々な業界の人とのつながりを作りながら仲間づくりを意識しましょう。



19. 原因を自分の中に見出そう


物事がうまくいかない時に、人はその原因を自分の中にではなく、自分の外側にあるもののせいにしてしまいがちです。そのうまくいかない原因は確かに、自分以外にもあるかもしれないことは事実です。しかし、すべて100%自分以外の周りが悪いということはありえません。その原因の割合の20%が自分、80%が周りにあるかもしれません。極端なことを言えば、1%が自分、そして99%が周りの原因であるかもしれないこともあるでしょう。


しかし、そのうまくいかないことを改善しようと考えた時に、一番効率のいい方法はどうすることでしょうか?周りの人や自分を取り巻く環境をどうにか変えようと行動することと、ちょっと考え方を変えて、自分の中の原因を真摯に受け止め、自分が悪いところを改善するのでは、間違いなく、後者の自分を改善していく方が断然労力が少ないはずなのです。


自分の考えていること、感じていることは自分が一番よく知っています。しかし、周りの人や環境は自分の想像もしない経緯や背景があり、それを一から把握して改善につなげるのは、気が遠くなるほど労力のいることです。多くの人が自分の中に原因を見出し、人のせいにせず、自己の改善を常に考えて行動すれば、結果的にその組織の環境は改善し、周りを変えていくのと同じことが起きるのです。周りを変えたいと思った時ほど、自分が変わることが一番の近道であることを常に心がけて行動していきましょう。



20.「心」と「頭」と「体」のすべてを常に動かして仕事をしよう


人は、「心」「頭」「体」が一体となって行動する生き物です。その中の一つでも欠けてしまったら、人としてのパフォーマンスは低下してしまいます。心で感じ、頭で考え、そして、体を使い行動する、この3つを最大限機能させて仕事をしていきましょう。


物事がうまくいかない時には、この3つのどれかがかけている場合が多いと思います。なんだかうまくいかないなと思った時には、常に、この3つを使っているかを振り返りながら、バランスをとって行動してみましょう。


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